月イチ更新のショーケース
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「おい!そこの!後へ下がれ!」

 そんな強い口調で声を掛けられた私は、構えたカメラを脇に戻し
従軍記者の身分を証明する「PRESS」と表記された胸のプレートを
声の主に向ける。

「あぁ、あんたか……すまんな、こちらも仕事でなぁ」

 彼は私が取材の為、この基地へ降り立った時に一連の許可手続を
行ってくれた兵士である。

「地元メディアへの対応をやっとけよ。それから火事場泥棒除けを
 忘れるな?」

「了解!」

 知った顔であると認識した彼は、部下である下士官二人に現場の
整理を任せ、苦笑しながらこちらへと近づいて来る。
 私も従軍記者の端くれだ。例え兵士と言えども必要な情報を聞き
出す為のスキルは持ち合わせている。そうで無くてはこんな職業を
生業にはしていない。

「これが例の奴かい?」

 彼は胸のポケットから煙草を引き抜きながら私の質問に返答する。

「あぁ、面倒な事になったよ。無人部隊相手だって言うのに
 配備されたばかりの機体まで引っ張り出しちまった」

「そいつは…災難だね?無人部隊…ならば尖兵隊って所かい?」

 私も煙草につけ、そのライターの火を彼に向けた。
 機体からさほど離れていない建物の階段に二人して腰を掛ける。
 深々と吸い込まれた紫煙が、空に向かって吐き出された。

「そうなんだ、一応基地があるとは言え、ここで本格的な行動を
 起こした事は、数年来無かったんだぜ?」

「ほぉ」

「流石にあちらさんも、念には念を入れているみたいでね…」

「何も残っちゃいないってか?」

「多分」

 戦争に使用される機体というのは軍事機密の塊である。無人が前提の
機体には情報漏洩を防ぐためにマシンの運用を司るAIに所謂"自決"用の
コマンドが組み込まれているのは常識である。

「今までとは違った"風"が吹きそうだね?」

「まぁね、良くも悪くも戦争なんて酔狂な事やっているんだ。
 ある程度の覚悟は出来ているけどな」

 自虐的な台詞を吐くと、彼は腰を上げた。大きく伸びをしながら彼は言う

「ん~っ、腰痛ぇ…そう言えば、ここを離れるって話を聞いたが?」

「あぁ、あと三日ほどで一度自社へ戻るが、今度は極東だとさ」

「これから忙しくなりそうだな」

「お互いに」

 ニヤリと人懐っこい笑みを残しながら短くなった煙草をブーツで踏み
潰した彼は立ち上がり後ろ手で挨拶を私へ飛ばす。現場へと戻る後姿を
確認した私はカメラのチェックを開始する。

「さてと、お仕事再開と参りますかね」

「よぉ!撮影するんだろ?どーすんだぁ?」

「ちょいと待ったぁ!」

 私も再度カメラを構えると現場へ向い撮影を開始する。どうせ最後の
撮影だ。メモリ媒体をフルに使っても問題はあるまい。

 予定が急遽変更され、撮影が終わった翌日に私は自社へ戻る事となった。
 極東へ移動する輸送機の中で聞かされたのだが、取材した基地はシュト
ラール軍の猛攻を受けほぼ壊滅に近い状況になったとの事。しかし・・…

 調査中の機体へ向かう彼の後姿と笑みは…今も私の記憶から消えた事は無い。
  
The Galaxy Guardian 記者 C・P・Scot

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-その日早朝、街へ侵入したシュトラールの部隊はそれから3日かかって掃討された。

 当初、旧市街に司令部構える傭兵軍は、これを威力偵察と見ていた。
警戒警報が発令されたが、時既に遅く、街中心深くまで侵入を許すことになる。

 本格攻勢だった。

 シュトラールは電子戦専門の部隊まで投入した。故に最初の砲声が轟く数十分前から
強力なジャミングにより、守備各部隊間のコミュニケーション能力は削がれていたのだった。

 敵への過小評価から兵力の投入は小出しにされ、守備隊は各個撃破の憂き目に会う。
一時、シュトラール軍の露払い役である無人機械化部隊が司令部の4ブロック先まで迫った
のを見て、最期を決めた司令は通信設備の破壊を命じたと言う。

 これを救ったのは虎の子のAFS隊。入り組んだ旧市街でトラップを仕掛け、至近距離から
十字砲火を浴びせた。 さらに傭兵軍は戦線後方の予備兵力を全部投入し、敵主力を近郊
にて撃退した。

 街を巡る攻防戦は、シュトラール軍がその包囲を解くまで更に数ヶ月の時間を要することになる。

 写真は、同戦闘後、機体への警戒線解除後、自身の戦果確認をしている兵士たち。
同クレーテの自立AIは、捕獲後の情報吸出しを防ぐため「自決」(兵士達はそう呼ぶ)していた。
この攻防戦は、両軍とも戦時広報で派手に喧伝された・・・。

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 ギャラクシー・ガーディアン紙記者のレポは、拙作「スコア」を元に盟友あきらさんが短編を書いて下さりました。
この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。

 「スコア」、クレーテ撃破後、これを仕留めた兵士らが検分を行っている場面を製作しました。
貫通弾にはチョークで印しをつけてあります。
 クレーテ都市迷彩塗装の元ネタは、MOUT(Military-Operations-in-Urban-Terrain)迷彩を施された、レオパルト
2PSOです。

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まとめ

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